この記事では、フェムテックエキスパート(日本フェムテック協会認定資格)保有の女性スタッフが、産婦人科医師監修のもと、つわりのよくある症状と解決策を種類別にご紹介しています。
妊娠初期のつわりに悩む女性や、妻や彼女などのパートナー、身近にいる妊娠中の方がつわりで苦しんでいるという方におすすめの記事ですので、ぜひ最後までお読みください。
監修者情報: 森下 紗織(産婦人科専門医)
産婦人科専門医。(勤務先:Wクリニック)
ピル専門外来をはじめとする、様々な産婦人科医療の現場で活躍中。
さらに女性の悩みをオープンにするために「診察室から飛び出して」女性のお悩みに寄り添う。
四児の母でもあり、育児と仕事を両立しながら、デリケートゾーンケア、性教育、生理の講座などについて、公式LINE、InstagramなどのSNSにて発信中。
つわりとは?原因・期間
そもそもつわりのメカニズムとは、どうなっているのでしょうか?
つわりとは、妊娠中に現れる嘔吐や吐き気、眠気、食欲不振などの症状のことをいいます。症状の内容や重さには個人差があり、まったくつわりを経験しなかったという方から、日常生活に支障をきたすほどつらかったという方までさまざまです。
つわりが起こる原因
つわりが起こる原因としては、実際のところはっきりとした原因は解明されていないそうです。
一説には子宮に精子が着床し受精したことで分泌されるホルモン(hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン))が影響しているといわれています。
つわりはいつからいつまで?終わりはあるの?
つらいつわり、永遠に続くのではないかと思えてきますよね。
一般的には妊娠5~6週からみられ始め、妊娠7~12週をピークにおおよそ妊娠4か⽉(16週)くらいまでには収まるといわれています。
ただし、中には安定期に入ってもつわりが収まらないという場合もあり、妊娠20〜22週で落ち着く人や、出産までつわりが続く人、一度収まったつわりのような症状が妊娠後期になって再度現れる人も少なくないようです。
これに関しても個人差や、赤ちゃんの成長に伴う身体の変化などがあるため確実なことはお伝え出来ませんが、誰にでも起こりうることですので不安になりすぎないでくださいね。
つわりの代表的な症状&対処方法
一言でつわりといっても、いろいろなタイプのつわりがあり、それぞれに異なる対処方法があります。ひとつひとつご紹介していきましょう。
「吐きづわり」の症状&対処方法
吐きづわりは、食べても気分が悪くなり嘔吐してしまうつわりのことです。
吐いてしまうと赤ちゃんが栄養補給を十分にできなくなるから、少しでも食べないと!と無理をする人も多いようですが、食べられないことで赤ちゃんに影響はありませんので安心してください。
吐いてしまっても、赤ちゃんの成長には問題がないといわれていますが、お母さんの体力をつけるためにも、食べられるときに食べられる量を、少しでも食べればOKです。
食べることでストレスを感じるくらいなら、食べなくても大丈夫。無理はしないでくださいね。
食べられなくても水分補給だけはしっかりと!
吐きづわりで食べられないから、食べなくてもよいとお伝えしましたが、水分補給だけは必ずしっかりと行ってください。
妊娠中は血栓ができやすくなります。
水分不足でお母さんが脱水症状になってしまうことで、血栓ができてしまい脳梗塞や肺梗塞などのリスクがあがります。
季節や天候に関係なく普段よりもこまめに水分摂取をするようにしましょう。
「食べづわり」の症状&対処方法
食べづわりとは、空腹時に気分が悪くなるつわりのこと。
食べていないと気持ち悪くなるため、ついつい食べ過ぎてしまうこともあるでしょう。
「においつわり」の症状&対処方法
においつわりとは、嗅覚が敏感になり普段気にならないようなにおいにも過敏になったり気分が悪くなるつわりのことです。
妊娠するまで好きだったにおいも苦手になってしまうこともあります。
パートナーの体臭で気分が悪くなることでいらいらしたり衝突してしまうことも。
そんなときはパートナーに、つわりの症状のひとつであることを伝えて理解を得られるといいですね。
「眠りつわり」の症状&対処方法
眠りつわりとは、眠くて眠くて仕方がない、または急激な眠気に襲われて眠ってしまうというつわりのことです。
眠りつわりは、食べ物やにおいなどで気分が悪くなるつわりとは異なるため、周囲の理解が得にくい場合があります。
しかし妊娠中のつわりの立派な症状ですので、職場や家族にはつわりであることを説明して、知っておいていただきたいですね。
つわり中・妊娠中でもOKなおすすめの食べ物
つわりの症状と対処方法がわかったら、次は食べられる食品は何なのか?が気になりますよね。
妊娠中に食べられるおすすめの食べ物をご紹介します。
妊娠中に積極的に摂りたい栄養素
妊娠中は「葉酸」を特に積極的に摂りたい
妊活中から、「葉酸」がとても大切というのは巷でもよく耳にしますよね。
葉酸は水溶性ビタミンのビタミンB群のひとつです。
妊娠中の方にとっても大切な栄養素で、お腹の赤ちゃんの神経管閉鎖障害のリスクを下げるため妊娠前から妊娠12週の期間まで飲むことが大切といわれています。
葉酸を多く含む食材は、焼きのり、枝豆、ブロッコリー、ほうれん草、モロヘイヤ、キノコ類、卵黄、納豆、苺などがあります。
葉酸は調理過程で増えたり減ったりする栄養素ですので、工夫しながら食事に摂り入れてみましょう。
妊娠中は「鉄分」を積極的に摂りたい
妊娠中は鉄分不足で貧血気味になりやすくなるため、積極的に摂りたい栄養素のひとつです。
鉄分には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2種類があり、
ヘム鉄は「動物性鉄分」とも呼ばれ、肉や魚などに多く含まれる鉄分で吸収されやすい鉄分です。
逆に、非ヘム鉄は吸収されにくいとされており、野菜などの植物性の食品に含まれています。吸収を促進するために、ビタミンCを一緒に摂り入れるとよいでしょう。
効率よく鉄分を吸収できるヘム鉄を多く含む食材は、煮干し、鶏・豚・牛のレバー、しじみなどの貝類などが代表的。
また、非ヘム鉄を多く含む食材は、生の小松菜をはじめ、ほうれん草や納豆、枝豆、ブロッコリー、切干大根、高野豆腐などがあります。
食物繊維やタンニンなど、鉄分の吸収を阻害する食材もあるので、食べ合わせに気を付けて効率よく鉄分を摂取したいですね。
妊娠中は「カルシウム」も摂りたい
赤ちゃんの成長に欠かせないカルシウムですが、1日の摂取目安量は、妊娠中や産後はそれ以外のときに摂取するとよいとされている量と変わらず1日650mgといわれていますが、根本的に日本人のカルシウム摂取量が足りていないといわれています。
カルシウムを多く含む食材は、牛乳、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品、骨ごと食べられる小魚、豆腐や納豆などの大豆製品、野菜類や海藻などがあります。
妊娠中でも飲んでよい飲み物
妊娠中は食べ物だけでなく、飲み物にも気を使います。
どのような飲み物であれば、妊娠中でも安心して飲めるのでしょうか?
ノンカフェインの飲み物 ハーブティ・デカフェコーヒーなど
妊娠中のカフェインは絶対に摂ってはいけないというわけではなく、コーヒーであれば一日一杯までであれば問題ないといわれています。
しかし、カフェインはコーヒーだけでなく緑茶や紅茶、栄養ドリンクなど、さまざまな食品に含まれますので、気が付かないうちに過剰摂取になっていたということにならないように、できるだけ控えたほうがよいでしょう。
代替品として、
- ノンカフェインのハーブティー
- カフェインレス・デカフェのコーヒー
- 麦茶
- ルイボスティー など
カフェインを含まない飲み物がありますから、そういった飲み物に変えてみましょう。
ノンアルコールの飲み物
妊娠中のアルコール摂取は、赤ちゃんにとってもお母さんにとっても良くない影響が多いですから、妊活中や妊娠中、授乳中はアルコールを控えて、ノンアルコールの飲み物に変えてみるとよいでしょう。
添加物の少ない・不使用のもの
飲み物に限ったことではありませんが、摂りすぎは食品添加物は発がん性があるともいわれていますから、大量に摂らないように気を付けましょう。
また、一度取り込むと体内に蓄積されていく添加物もありますから、注意が必要です。
日ごろから健康のためにも、インスタント食品や外食ばかりに頼らず、自炊して新鮮な料理・飲み物を口にするよう心がけましょう。
コンビニで買える!おすすめの食べ物
自炊できるのが一番よいですが、忙しい日々の中すぐに取れる食品があれば助かりますよね。
コンビニの食品は簡単に手に取れてすぐに食べられるので手軽でよいですが、妊娠中でも手に取れる食材はあるのでしょうか。
パックごはん、素焼きミックスナッツ、甘栗、ひじき煮などのお惣菜、サバ缶など、比較的添加物が少なく安全な食材もあります。
食品を手に取るときは、必ず食材のパッケージに表示されている食品成分表を見て、食品以外の成分が含まれていたり、成分の意味が分からない場合は、避けたほうが無難です。
妊活中をはじめ、妊娠中に食べてはいけない・避けたい食べ物や飲み物はこちらの記事でご紹介しています。
つわり中は赤ちゃんが育っている証拠。つらいけど一緒に乗り越えましょう!
添加物の少ない食品やノンカフェインの食品は、フェムテックエキスパートが所属するフェムテック専門通販「PIBOLA.(ピボラ)」でもお買い求めいただけます。
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