2026年5月4日、横浜スタジアムで行われた一戦は、まさに「天国から地獄」を体現するような試合となった。広島は初回に鮮やかな満塁ホームランで主導権を握りながら、最終的には11失点を喫し逆転負け。これでDeNA戦は昨季から続く9連敗となり、チームに重くのしかかる課題が改めて浮き彫りになった。
初回の歓喜…坂倉の一撃で試合は決まったはずだった
試合は理想的な形でスタートした。広島打線は初回、無死満塁の絶好機を作ると、4番・坂倉将吾が右翼スタンドへ豪快な満塁ホームラン。これで一気に4点を先制し、試合の流れは完全に広島に傾いた。

この一撃は坂倉にとって今季4号であり、すべてDeNA戦で放っているという相性の良さも光った。序盤で主導権を握るどころか、試合を決定づける可能性すら感じさせる一発だった。
しかし、この日の広島にとっては、これが「ピーク」だった。
エース崩壊…大瀬良が流れを止められず
4点の援護を受けた先発・大瀬良大地だったが、その期待に応えることはできなかった。

2回、先頭打者の出塁から一気に流れが変わる。連打を浴びて4失点を喫し、試合は早くも振り出しに戻る。そして3回には四球をきっかけにさらに崩れ、連続適時打で勝ち越しを許した。
結果的に大瀬良は2回1/3を投げて8安打6失点で降板。まさに「KO」と言える内容で、エースとしての役割を果たせなかった。

本人も試合後、「最高の流れを作ってもらったのに壊してしまった」と語るなど、自責の念を強くにじませた。
継投の誤算…リリーフ陣も止まらず大量失点
さらに問題はここで終わらなかった。2番手として登板した投手もDeNA打線を止められず、4回には一挙5失点。これで試合の流れは完全にDeNA側へと傾いた。

結果的に広島は今季ワーストの11失点。投手陣全体の崩壊とも言える内容で、守りの野球を掲げるチームとしては致命的な試合となった。
打線は意地を見せるも…届かなかった反撃
それでも広島打線は最後まで諦めなかった。
5回には秋山翔吾がソロホームランを放ち、9回にはモンテロが2ランを放つなど、一時は3点差まで追い上げる粘りを見せた。1試合3本塁打は今季最多タイと、攻撃面では一定の手応えもあった。
しかし、序盤の大量失点があまりにも重く、試合をひっくり返すには至らなかった。
DeNA戦9連敗…見えてきた「構造的な弱点」
この敗戦で広島はDeNA戦9連敗。今季はすでに6戦全敗で、完全に「苦手意識」が定着している状況だ。
この数字は単なる偶然ではない。むしろ、以下のような構造的な問題が浮かび上がる。
- 投手陣がDeNA打線に完全に攻略されている
- 試合中の流れを変える継投判断の遅れ
- 得点後に流れを維持できない試合運び
- 相手に対する戦術的な対策不足
特に今回の試合では「4点先制後にすぐ失点」という展開が象徴的で、チームの安定感のなさが露呈した。
チーム状況は深刻…借金7で今季ワーストタイ
この敗戦により、広島の借金は今季ワーストタイの「7」。順位争いの中で後退を余儀なくされる結果となった。
シーズンはまだ序盤とはいえ、このまま同一カードで負け続ける状況が続けば、上位進出は極めて厳しくなる。
それでも見えた「希望」—坂倉の存在感
暗いニュースが多い中で、唯一の光は坂倉将吾の存在だ。
この日も満塁弾を含む活躍で打線をけん引。勝敗こそつかなかったが、チームの中心としての役割を十分に果たしている。
また、終盤の粘り強い攻撃も、チームが完全に崩壊していない証拠と言える。
まとめ:問われる「立て直し力」
今回の敗戦は、単なる1敗ではない。
「勝てる試合を落とした」こと、そして「同じ相手に連敗が続いている」ことが、チームにとって大きな課題となっている。
今後の鍵は以下の3点だろう:
- 投手陣の立て直し
- 試合中の柔軟な采配
- DeNA対策の再構築
新井監督も「最後まで諦めない姿勢はあった」と前を向いたが、このままでは同じ展開を繰り返す危険性が高い。
坂倉の一発で始まり、投手陣の崩壊で終わったこの試合。
広島が再び上昇気流に乗るためには、「流れを守る野球」を取り戻せるかどうかが問われている。
次戦こそ、連敗ストップなるか——。ファンの期待は、その一点に集まっている。